さて、あの興奮の2日間から早4日ほど経とうとしているわけですが
更新がすっかり遅れてしまいました。
灼熱のモリコロパークと冷え冷えアイスリンクの往復による疑似クーラー病に加え
ショー前日に張り切って(ええそれはもう張り切って)猛暑の中を名古屋城→東山動物園と
駆けめぐった疲れが祟りまして、若干の体調不良に見舞われていたという…。
勢いよく子供の運動会に参加して転びまくるお父さん達とはきっとこういうものなのだろうと
日頃の運動不足を実感しました。
それはさておき、「THE ICE」、素晴らしかった。
ジェフのワールド優勝の余韻で4公演のチケットに手を出してしまっていましたが
むしろ全公演観られてよかった。本当に楽しいショーでした。
オープニングでは地元名古屋のスケーターの皆さんがショーのホストとして紹介され
一気に華やかな雰囲気に。そこに今年も足元不如意なモリゾーとキッコロがよろよろと登場、
「ああ名古屋。」と実感させてくれます。
以下、スケーターごとに少し感想など。
浅田舞
[Cherbourg]
パラソルを手に登場。もうその姿の美しさに釘付けです。
スモーキーなピンクとブラウンの衣装がとても上品でよく似合っていました。
初回は少し緊張していたようですが、回を経る事に動きも良くなっていたような。
名古屋若手スケーターズ
[松原彩華:島唄]
[村上佳菜子:Baby Face]
[吉野晃平:情熱大陸]
[中村愛音:レクイエム]
4人とも大きな舞台に臆することなく達者な滑りを見せてくれ、名古屋の層の厚さを実感しました。
今後がほんとうに楽しみです。
琉球音階に乗る英語のハイトーンボイスというのもなかなかシュールでよかった(島唄)。
曾根美樹
[101匹わんちゃん]
曾根さまにはいつもメロメロにさせられているわけなのですが、今回もかましてくれました。
101匹わんちゃんの悪女クルエラです。
パイプを口にくわえたまま滑り、ビニール製のわんこを振り回し、マイムもばっちりと決まる。
独壇場です。ほとんど滑っていないことなど、まったく気になりません。
今季で引退されるそうですが、またその姿がどこかで観られれば嬉しいなあと思っています。
鈴木明子
[Liber Tango]
彼女の音感の良さにはすごく驚かされます。リズムももちろんなのですが、音の強弱や
微妙な「ため」にも動きを合わせていて、センスがすごくいいなあと思いました。
表情も曲に合わせて少し強めの目線だったりして、音楽の世界を表現するのがうまい。
もっといろんな曲で観たいと思わせてくれる滑りでした。
Sinead Kerr & John Kerr
[Auld Lang Syne]
このカップルの登場では毎回ほんとうに盛り上がりました。
スコティッシュ&キルト好きなわたしには垂涎の「蛍の光」OD。
アイスダンスはやはり華やかで素敵。そして姉が弟をリフトするという力業炸裂。
惚れました。お姉さん。
小塚崇彦
[Save the Last Dance For Me]
スケートでチャチャチャのリズムは難しいんじゃなかろうかと曲を聴いたときに思いましたが
そこは小塚選手、足捌きも鮮やかにつるつると美しく滑っておられました。
素晴らしく個性に合っているプログラムで、これは何度でも観たいなーと思う演技です。
あと、歓声が大きければ大きいほど乗ってきていい演技になっていたのが面白かった。
やっぱり静かだとまだ少し気恥ずかしさが勝ってしまうのかもしれないですね。
encore:小塚崇彦 & John Kerr
[Flash Gordon's theme]
小塚くんの演技で「ああ、いいもの観たわー。」となっているところにこの「フラッシュの
テーマ」が来るものだから、わかっていても毎回吹き出してしまっていました。
回を重ねる事にエレメンツが足されたりしていてレベルアップしていたのがまた笑えた。
スケーターの皆さんのサービス精神には頭がさがります。
Mirai Nagasu
[At the Beginning]
[A Dream Is A Wish Your Heart Makes]
1日目の昼公演では黄色い衣装でアナスタシアの”At the Beginning”を滑っていたのですが、
それ以降はピンクの衣装で”A Dream Is A Wish Your Heart Makes”に変更していました。
観客のリアクションを見て即座に対応してきているのだったらすごいなと思いますが
単なる気分かもしれません。
”At the Beginning”は全体的に元気な感じの振付でしたが、シンデレラの方は少し
腕使いなどもやわらかな雰囲気。それでもビュンビュンスピード出して滑ってました。
とにかく速い!
浅田姉妹ペア
[DREAM GIRLS]
可愛い女の子たちが可愛い衣装で可愛く滑って可愛くないはずがないのですが
あえて言わせてください。
でら可愛い!!!
それくらい可愛かったです。
Dan Zhang & Hao Zhang
[CANTO DELLA TERRA]
Sarah BrightmanとAndrea Bocelliのこってりと濃い曲を、しっとりと素敵な雰囲気で
滑ってくれました。演技も安定していて、全公演通してほとんどミスは見られなかった
と記憶しています。
中野友加里
[The Romance]
彼女は風格が出てきたというか、確固とした自分を持っている感じがスケートにも
出ているような気がします。滑りが大きく見えるんですよね。
今回の衣装もブルー系のパープルが落ち着いた雰囲気でよくお似合いでした。
Evan Lysacek
[Billy Jean & wall to wall]
常にノリノリ。そしてキレキレ。長い手足で空を切り裂くように踊り倒してくれました。
すごい動ける人なんだなあと再認識。彼の登場でもかなり盛り上がってたなあ。
スケートでムーンウォークとか、ほんと器用ですよね。
Sasha Cohen
[Hurt]
本格的にトレーニングを再開したというような話を聞いていましたが
滑りは見事に戻ってきているようです。安定感が素晴らしかった。ジャンプミスもほとんどなくて
スパイラルもゆるぎない。
衣装もキランキランでひときわゴージャスでした。
encore:Sasha Cohen & Evan Lysacek & Mirai Nagasu
[We will Rock You]
スケーターのコラボ。他の皆さんはいろいろと振りを合わせたり、ペアスケーティング
だったりとしっかり「コラボレーション」されていましたが、そこは個人主義の国アメリカ。
3人で出てきて、それぞれが方々で好きに滑って帰って行くという身も蓋もなさが
逆にツボに入って、このセクションはかなり好きでした。
Jeffrey Buttle
[Ribbon in the Sky]
そしてジェフ。
今回かなりの「キャー」を一身に受けておられたワールドチャンプは本当にご機嫌でした。
氷の上にいるのが楽しくて楽しくて仕方がないという風情で
ジェフが幸せそうに滑っているのを観られることが本当になによりの恩恵だわと
幸せな気分にさせてもらいました。
腕のひと振り、背中のライン、キャメルスピンのまっすぐ伸びた脚。
造形フェチとしてもこの上なく堪能させていただいたミディアムバラード。
生で観る機会を得られて本当によかったと思います。
安藤美姫
[Borelo]
自分が演奏したことがある曲が変なところで切られていると違和感がものすごいので、
観ているときに集中力が削がれるという弊害がありましたが
振付はバレエの振りも少し入ってて、コンテンポラリー風で面白かった。
何より美姫ちゃんが生き生きと滑っていたのが良かったなと思います。
演技後の満面の笑顔が印象的でした。
Alexei Yagdin
[曲名不明]
曲目リストでは”Overcome”の予定だったのですが、滑ったのはボクサーに扮したプログラム。
どうもあまり調子がよくないようで、ジャンプもうまく決まらない場面があったりと
かなり心配な様子でした。
一緒に出てきたサーシャのナース姿はキュートだった・・・。
浅田真央
[tango por una cabeza]
[sing sing sing]
まったく雰囲気の違った2つのプログラムを2回ずつ披露してくれて、彼女の引き出しの
多さに驚きました。それぞれ曲想に合った演技で、舞ちゃんと滑ったペアプログラムを含め、
彼女の演技の幅がどんどん広がっているのを目の当たりにしたショーでした。
1日2回公演でこなした出番を考えると、その体力もものすごい。
それをまた飄々とやってのけるところが彼女の凄いところであり、魅力でもあるのかなと思います。
Finale
フィナーレではまたいろんな組み合わせでスケーターの皆さんがコラボレーション演技を
見せてくれました。
曾根さま&若手スケーターズ、小塚くん&未来ちゃん、友加里ちゃん・サーシャ・明子ちゃん、
ペア&アイスダンス組、エヴァン&ジェフ、美姫ちゃん&ヤグディン氏
こうやって書き出すだけでも豪華な組み合わせです。
ジェフはLenny Kravitzの”American Woman”でライサチェクさんと達者なダンスを披露
してくれました。美姫ちゃんの”I wanna be loved by you”もコケティッシュで素敵だったし、
カー姉弟がEnyaの”Anywhere Is”で滑り抜けた時にはそのあまりのハマりっぷりに
涙が出そうになりました。
浅田真央 & Jeffrey Buttle
[True Love's Kiss]
それからそれから。
今回のショーの見所のひとつ。現世界チャンピオン同士のコラボレーション。
曲は映画「魔法にかけられて」から”True Love's Kiss”
リアルディズニーの世界がそこにはありました。
ものすごい姫&王子っぷりに口を開けてぽかーんと観ているしかなかった。
あの二人のスケーティングはすごく相性がいいんでしょうね。
Good Chemistryというのはこういう事を言うんだろうなあと思いました。
最終公演ではジェフが茶目っ気を出して真央ちゃんにキスというハプニングも飛び出し
会場は「キャー」の大歓声。そんな中、手を叩いて大笑いしながら「よくやった!」と
大喝采を送っていたのはわたしと隣の席の方でした。あれは楽しかった。
Grand Finale
そして今年もやります。会場とダンス。
わたしは去年同様、練習からノリノリで踊っていましたが、去年と比べると練習でも
積極的に参加されている方が多かったように思います。
しかしながら今年の振付は幅をとる動きが多く、ちょっと斜に構えて踊ってみたりといろいろ試してはみたものの、どうしてもお隣の方とぶつかってしまうのが難点でした。
目の前で踊ってくれたスケーターは美姫ちゃん、未来ちゃん、小塚くん、曾根さま、サーシャ、
エヴァン、エヴァン、エヴァンとライサチェクさんの大盤振る舞い。
しかもライサチェクさんは[振りがわからなくてグダグダ]→[慣れてきて振りの合間にアドリブ]
→[完全にフリーダム]と公演ごとに見事な進化を遂げられていて、目が離せなかった。
未来ちゃん越しにちらりと見たジェフは今年もシャキシャキと元気に舞い踊っていました。
群舞でも一人だけ異様にポーズが決まっていたな。そういえば。
今回も本当に本当に楽しいショーでした。来年も開催されればぜひ行きたいと思います。
名古屋は観光できるところも多いし、お食事も美味しいのですっかり大好きになりました。
名古屋でお会いしたみなさん、楽しい時間をありがとうございました。
スケーターの皆さんもファンの皆さんも、どうぞ素晴らしいシーズンを迎えられますよう。